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2009年 07月 24日
バスラからの様子
写真はダーキール川といってシャットルアラブからバスラシティーに向かって3キロ程続く川です。アシャール地区、バラディヤート地区、ジャザーイル地区、オールドバスラなど多くの地域を通っており、港としてもかつて有効活用されていました。穀物や野菜を積んだ小さな船がここを出入りしていたのです。しかしトルコが建設したダムによりチグリス川、ユーフラテス川共に流れが鈍くなり、今ではごみダメになってしまっています。 新聞では連日のようにイラクの深刻な水不足を伝える記事が ユーフラテス川の水位がここ一年以来最低に イラク水資源省はトルコ、シリアの2国に対し、水不足解決を目的とした緊急会合を開くよう呼び掛けを行った。議会の農林水産委員会はこの状態が継続した場合米の収穫におおきな打撃を受けるとして警告を行っている。また水資源省が昨日発表した声明によると、ユーフラテス川を経由してトルコからイラクに流れてくる水の量がハスィーバ地区(シリア国境付近に位置)において非常に低下しているとのこと。ここ十日ほどの平均水量は250立方メートルほどで、この水量では農業やその他の用途に使われる水としては不十分であるとの発表を行った。イラク水資源省はイラク、トルコ、シリアの3カ国を交えた、水の分配を目的とした大臣級の会談を8月初旬に行いたいとしている。 しかし同委員長ラティーフ・ハサンによると「会合は緊急かつ重要なものであるが、公式的には何の決定もなされていない」また「ユーフラテスにおける水量の減少はイラクおける農業を干ばつに追いやるほどの深刻な被害を引き起こす。」とも。 イラク首相マーリキーは前回のイスタンブール訪問の際にこの問題を取り上げ、水量の増加がなされなかった場合の危機がどのようなものになるかをトルコ側に説明したということだ。イラク側はトルコ、シリアが国際的な水資源分配問題に対する関心の低さから、この2国に対し水資源の分配協定を結ぶよう呼び掛けを行った。 農林水産委員会のメンバーである、カリーム・ヤアクービーは水不足によって市民生活に悪影響が出ることを警告し、また同委員会は協定に基づいた水資源の分配を行うよう求めている。また「この問題はチグリス、ユーフラテスの両河川における問題だが特にユーフラテス川における水不足が深刻であるとした。ハスィーバまで到達する水量は200~220立方メートルほどで、この一年で最悪な水量となっている。ユーフラテスに建設されているトルコのダムは冬に十分な降水と降雪があったため、水の蓄えはあるはずであると。 チグリス、ユーフラテス川はトルコの山を源流としてイラクに入り、南部でシャットルアラブを(2つの河川の交流地点)を形成し湾岸へ流れ込んでいる。 イラクの深刻な水不足を助長する原因にトルコのダム建設プログラムがあるとさている。 22のダム建設を含んだガーブ=ダムネットワークプログラム。アタテュルクダムを筆頭にイリスダムなど22のダム建設が計画されている。特に建設中のイリスダムが完成しすれば、チグリス川の水量が9.7ビリオン立法メートル(水量の45%に相当)も減少するといわれている。(ガーブダム郡の建設は2015年に建設完了予定。この結果2040年までにはチグリス川が干上がってしまうという専門家もいる。 またトルコは1946年にイラクとの間に結ばれた協定(国際河川を堰きとめるダムを建設する際には、川の流域に位置する国と相談し、合意を得た上でないとダム建設はできない)を遵守しておらず。またトルコのスレイマン=デミリールの発言「石油がアラブのものなら水はトルコのもの」という発言もイラク側からの批判に度々用いられている。 またトルコは90年代初頭に国連の主導によって締結された「国際水路の非航行用使用に関する協定」への署名を拒否している。
by jim-net-news
| 2009-07-24 05:28
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