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2008年 05月 19日
モスル軍事作戦続報
政府による軍事作戦(ウンム=ラビイアイニ)が遂行中のモスル。これまでに1100人の逮捕者が出ており、そのうち3人が女性であったという。これほどの数の逮捕者が出ていながらモスルでは目立った衝突は起こっていない。テレビの報道では普段通り生活を行う市民の様子が写されている。 バスラ、バグダードと激しい衝突が続いたたが、モスルでは様子が異なるようである。その理由として、政府は「この作戦が3ヶ月前から周到に用意された作戦であった、また諜報機関が上手く機能した。」などの理由を述べているが、実際はモスルにおいてバスラやバグダード(サドルシティー)のような違い激しい抵抗勢力が存在しなかったためではないかと見られている。 サダム政権時代のモスルは人口の大部分がバース党の幹部によって占められていた。政権崩壊後はその多くが追放され、ただひたすらに新政府による追訴を恐れるだけの存在になった。今回の軍事作戦はアル=カーイダというよりもむしろ、そういった戦意を持たないバース党幹部を対象としたものではないかということだ。 現在そのようなサダム政権当時の将校や軍人などを治安部隊に引き入れるよう、政府は呼びかけを行っており、これまでにかつての将校クラスが350人、警察関係者が850人それ以外からも凡そ3500人もがこの短い期間で治安部隊に参加することに応じているということである。 また一部の議員により、モスル市民の中から7000人を軍隊や警察に徴用しようという政府の計画が明らかにされており、これにより政権を有利に運ぶための地盤固めを行う意図があるのではないかとみられている。 今回の軍事作戦に関して、一部からペシュメルカの勢力を削ぐためのものだという批判が上がっていることに対し、ペシュメルカのスポークスマンはこう反論している。「ペュメルカは防衛省に属する組織である。またその中にはクルド人、アラブ人、トルクマン人などの様々な民族がおり、彼らは、防衛省の決議に従って行動する。そのためにそのようなことはない。」とし、この批判を退けている。 コーランを射撃の標的に・・・ 米軍が射撃の訓練のために、イスラーム教徒の聖典コーランを的にしていたことが判明し、イラク全土から非難の声が上がっている。またこれまでにも同様の事件が過去にも起こっていたとして、米軍に対して二度とこのようなことがおこらないよう謝罪を求めている。 イラク報道局シャルキーヤより バスラ続報 電気、水道が依然として不足状態にあるバスラ。病院では治療を行うためにこれらは欠かせない。通常は病院などの施設には停電に備えて備蓄電力が存在するはずなのだが、常に停電が続くバスラではそれさえもない状態が続いている。 先日、病院で子どもの外科手術を行っている最中に電気が途切れてしまい、病院スタッフ総出で電気をかき集めてくるという事態まで発生している。 また水に関してもここ数日は供給が安定しつつあるかと思われたが、再び水不足に陥ってしまったそうだ。イブラヒム先生は昨日と今日とそれぞれ32000リットルの水の補給を行った。 ズバイルにある家ではファーティマが相変わらず暗闇の中で勉強をしているそうだ。今は期末試験の真最中。初日はアラビア語の試験だった。 イブラヒム先生「全く心配してないよ。娘は私に似て賢いからね!」 バスラは治安も未だ安定したとは言い難い状況だ。北部の町カルナではマフディー軍の蜂起が再び起こった。また集団墓地から身元不明の切断された遺体が多数発見されている。誘拐も頻繁に起こっている。イブラヒム先生が落ち着ける日はまだやって来ない。 t
by jim-net-news
| 2008-05-19 09:06
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