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2008年 10月 04日
こちらはラマダーン(断食月)が明けて、断食明けのお休みをみんな楽しんでいるところだ。先月9月の暴力発生件数はここ数年の間で最も少なかったとはいえ、突発的な自爆攻撃が数件発生しており、我々の身近なイラク人の親戚なども被害にあっている。
ラマダーン月も終わりに近づいた9月28日バグダード、カッラーダ地区で大規模な爆弾テロによる攻撃で32人の命が失われた。事件が起こったのは夕方で、この時間は断食が解かれる日没を待って、車や人が家路を急ぐために通りが混雑する時間帯である。家族との団欒を楽しみにしていた多くの人々が犠牲になった。残念なことにこの爆発によって、アーヤ(義足の女の子、骨肉腫により片足を切断した)のおばさんが巻き込まれて亡くなった。アーヤの父親がバグダードにいる妻からこの訃報を聞いてこう言った。 「わかっただろう。イラクは終わってるんだ。政府は何もできない。俺たちにあるのは恐怖と消耗だけだ。モスクが攻撃の対象になるから怯えて礼拝すらできない。仕事だってない。わかっただろう。これがイラクの現状だ。どうしろっていうんだ。」 また、つい先日、イラク政府が医師に武器の携行を許す決定を下したが、これも「自分の身は自分で守れ」といっているようなものである。イラク戦争後、多くの医師が武装勢力によって殺しや誘拐の被害者となり、そのために多くの医師が安全を求めてイラク国外に出てしまっている。そういった医師を呼び戻すための政策だというのだ。暴力の発生件数事態は減少の傾向にあるとはいえ、まだまだ予断は許さない状況である。 さてアーヤに話を戻そう。彼女の義足の修理も無事終了した。ボロボロだった義足は綺麗になって戻ってきた。 「履き心地はどう?」 「とってもいいわ。完璧よ!それに見て内側には綺麗な花が描かれているわ。」 ジーパンと靴を履いてしまえば、彼女の片足が義足だということは一見わからない。しかし引きずるようにして歩く様子は通りでも人目を引く。通行人は彼女を見るために振り返る。しかしアーヤはそんなことも気にせず、元気いっぱいである。僕たちの先を歩いて行く。無事修理を終えたアーヤ親子は家族が待つバグダードに帰っていった。 他の家族についてもラマダーン中は様々なことがあった。まずは「シャバーブ・イラーク」という報道機関がアンマンでガン治療を続ける家族について記事を書いており、ハサンとラーラにスポットが当てられている。以下記事 アンマンにイラク人のためのガンの基金が設立されて以来、ここに治療のために訪れるイラク人が多くなった。今年に入ってから、250人以上がここキングフセインがんセンターで治療を受け、毎月25人程の新規のイラク人患者が訪れている。アメリカが主導したイラク戦争以降、ヨルダンにいる難民の数は増え、50万人ほどがいると見られている。このガンセンターに基金が設立され、病院のエントランスには寄付を行った人々の名前が多数掲げられている。しかしながらその基金だけでは、ガンに冒された患者たちの命を救うのに十分ではない。 10歳のイラク人少年、ハサンは数ヶ月前に彼の体にガンが発見され、治療のためにここにやってきた。現在、彼とその家族は外科手術を行うために必要な寄付を待っている状態だ。ハサンの父親はこう語る。 「治療には100、000ディナールから150、000ディナール(1700万円~2550万円)がかかるんです。妻と息子のハサンは私よりも先にアンマンにきたのですが、私はイラクに残り、車を売り、そして家を売り払いました。そうしてイラクからアンマンに治療費と生活費を送り続けたのです。しかしながらそのお金も十分でなく、一月ほどの治療のために全部使い果たしてしまいました。しかしながらその後、アルハムドゥリッラー!(神に称えあれ!)キングフセインがんセンターが我々のために門戸を開いてくれたのです。」 19歳の女の子ラーラは白血病に冒されている。2年前彼女の病気は治療も一段落し、病状も落ち着いていた。しかしながらその後、経済的に困難な状況に陥り、治療が中断してしまった。さらに追い討ちをかけるようにアメリカ軍が彼女の兄弟を逮捕、拘留した。こういったことがあり彼女の病気は一層、危険なものとなって再発したのだという。ラーラの母親はこう語る 「スーダン人の患者はスーダン政府の補助を受けて治療しているというし、イエメン人の患者はイエメン政府の支援のもと治療を受けているとそれぞれ言っていますが、私たちはどうしてそれができないんでしょう?私たちも自国の政府に支援を求めたいのです。私たちのイラクは資源だって豊富にあるんですから!」 キングフセインがんセンターはここ数年で色々な各地からのがん患者を受けて入れている。病院のファンデーションの総合マネジャーであるディナ王女はこう語る。 「以前から、治療とその費用を我々のファンデーションに求めてくるイラク人はたくさんいました。そしてこれまで、ヨルダン国王や王室系財団の支援などからも合わせ、総額およそ、1,4ミリオンドルに昇る支援を彼らに対し続けて来ました。しかしながら現在は我々がカバーできる範囲を超える程に、やってくるイラク人患者は増加しているのです。」 がんセンター長のマフムード・サルハーンはこう語る。 「我々のところに来るイラク人患者は増加傾向にあります。患者全体の内7%から10%がイラク人患者によって占められています。」 イラクの保健状況は2003年の戦争以後壊滅状態に陥っている。多くの医師たちが安全を求めて国外に出て出てしまった。また同様に治安の悪化や暴力の連鎖はイラクで活動する国際機関やNGOをも追い出されるに至っている。 http://iraqshabab.net/index2.php?option=com_content&task=view&id=11791&Itemid=1 ラーラに関する良いニュースが一つある。上の記事でアメリカ軍によってバスラのブーカ刑務所に拘留されてラーラの2人兄弟のうち1人が開放された。彼はすでに解放されバグダードの実家に戻っているそうだ。その知らせを聞いたラーラの母親は非常に喜び、一年半ぶりに息子に会うためにバグダードに急遽帰国した。開放の知らせを聞いた時の心境をこう語ってくれた。 「夫からの電話で息子が開放されたことを知ったわ。息子は私たちの家に帰れてとても喜んでいるそうよ。夜中の3時ころに拘置所を出発し、ヘリコプターでバスラの空港まで連れられていって、さらにそこから飛行機でバグダードまで帰ったの。」 息子がアメリカ軍に連れ去られた時のこと詳しく教えてくれる? 「ええ、2007年の4月26日だったわ。夜中の2時くらい。アメリカ軍がバスに乗って私たちの家にやってきた。突然、爆発音が聞こえて、その直後に10人くらいの武装したアメリカ軍の部隊が家に押し入ってきたの。私たち女性は声を立てないよう物陰に潜んで、じっと隠れていた。当時、夫は目の治療のために病院に入院していたから、家には私と息子たちと娘たちだけだった。アメリカ軍は息子2人を見つけるやいなや、マスクで顔に覆いをして家から連れ出した。その後は朝の4時くらいまで家宅捜索が続いたの。家の中のものは壊されて無茶苦茶にされたわ。そしてラガド(長女)のパソコンやパスポートも奪っていった。調べている間、何度か米軍に付き添っていた通訳が「水をくれ」といったので私は何回か洗面所に水を汲みにいって渡したわ。ラーラはその間ずっと声を堪えながら震えてた。明け方になって通訳が「この家から銃や武器など発見されなかったから、2人の息子もすぐに解放されるだろう」と言ったけど・・・大嘘だった。それから今まで息子は1年半ずっと拘留され続けた。そのときの米軍による捜索で私たちの地域から27人が連行されたわ。そのほとんどがなんの罪もない市民だったわ。中には小さな子供まで連れて行かれたのよ!」 息子たちが解放されるように訴えなんかを出したりしたの? 「もちろんよ、色んなところに訴状を出しに言ったわ。でもイラク政府は彼らの側でしょ。何もしてくれなかった。米大使館やこっちのUNHCRにも言ったりしたけど何らの結果も得られなかったわ。私たちはこれに加えて、ラーラの白血病が再発して、本当に疲れ果てていたのよ。本当に誰一人として私たちの側に立ってくれる人はいなかったわ。」 息子に会ったらどんな言葉をかけたい? 「かける言葉なんてないわ!なんて言ったらいいのよ!顔みたら泣いてしまうわ・・・。何も言えないわよ。ただ・・・「こっちにおいで。」と言って抱きしめることができれば・・・」 t
by jim-net-news
| 2008-10-04 05:11
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