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2010年 11月 11日
4日目は講義ではなく点滴固定に関する演習を行いました。
まず初めにひとりずつ自分のやり方を披露してもらいました。 バスラ、バグダード、ナナカリの順で。 バスラのおふたりは1つ1つが丁寧。 バグダードは個性豊か。 ナナカリはもう透明なフィルムを使った固定ができているので、お手本として。 そこで。 気になるのが針の持ち方です。 皆さん、羽根?の部分より外筒側を持つんです(写真参照)。 これでは、外筒(血管内に留置される部分)に触れてしまうリスクが高い。 実際、手袋をはいているときは、手袋が触れてしまっていることも。 (バグダードは全員手袋ははかないと言っておりましたが…) しかし、その持ち方でないと、穿刺しにくいようでしたが。 結局、手袋に気をつけて、何があっても外筒を触らない自信があるならそれでもいいよということに。触ったら即針はゴミ箱行きです。 そして、本番。 ナナカリナースのお手本をみて、実際に透明フィルムやメッシュのテープを使用し、固定をしてもらいました。 はじめは2か所で練習を行っていましたが、他の人が気になるらしく、結局1か所に集まってしまいました。 ここで、練習している人以外は少し空き時間。 バグダードの皆さんは1回やれば満足しているような感じ…。 勿論、それでは私が満足しませんので、1人ずつ名前を呼んで、ナナカリのマハナスにお付き合いいただいて練習してもらいました。 その間、空いている腕のモデルでバスラの若者マジッドが1人黙々と練習していたのです。 それにナナカリのチェスタンが黙々と付き合っていたのです。 マジッドは3回か4回、繰り返し練習をしていたと思います。 チェスタンはテープの切り方から貼り方まで丁寧に教えてくれました。 おかげで彼は一番上手になりました。 バスラは彼が教えていくことができる環境を整えてくれれば大丈夫です。 看護部長さんに「彼が点滴の仕方は充分教えられるから」と言ってあるので、きっと大丈夫でしょう。 さらにバグダードの皆さまも最終的にはしっかりできるように。 CV管理のこともありますので、現場で実践していって欲しいところです。 皆さま実践していこうという意欲はあったので、今後に期待しています。 次のJIM-NET会議でお医者さんたちから、良い報告があると嬉しいのですが… #
by jim-net-news
| 2010-11-11 01:11
| アルビルプロジェクト
2010年 11月 10日
感染対策について。
2日目に行った化学療法についての講義で、抗がん剤投与中の患者さんは副作用で白血球が低下するため感染リスクが高いという説明をしました。 だから、感染対策をしなければいけないのです。 要点は以下の3つです。 ・感染兆候のアセスメント。 ・日常ケアの目的。 ・スタンダードプリコーション まず、皆が見学したナナカリ病院。 ホーシャングが皆さんにマスクを配ってくれたこと。 マハナスが病棟への立ち入り制限をしていること。 それらを良い事例として説明しましたが、残念ながらこんなことを説明してるときに限ってナナカリ病院のメンバーがいない。 彼ら8時から9時まで実は仕事をしての参加だったので、少し遅れてきたのです、この日。 それから、全員揃い、本題に入ります。 まず、感染兆候のアセスメントから。 看護にアセスメントは必須です。治療内容や投与された薬、検査結果などから患者さんの状態をアセスメントし、把握することができます。 そのポイントを細かく説明しました。 今後、誰よりも早く感染の兆候に気付くことができるナースになって欲しいと思います。 そして、日常ケア。 感染しやすい部位のケア。口腔内や皮膚、また点滴の留置針をとめているテープのケアの方法を説明しました。 イブラヒム先生が、口腔ケアをせずに放置し、虫歯から感染し口唇までえぐれてしまった写真を見せてくれました。 ケアをしないとこういうことが起こり得るのだという事例をみて、皆が少しでも恐怖を感じてくれていたらと思います。 そして、感染対策のガイドライン的なスタンダードプリコーション。 なんと誰も聞いたことがないというじゃないですか。 手指消毒から説明です。 さらに手袋は脱ぎ方が皆さんおかしい! 正しい脱ぎ方を皆で練習。全員できるようになりましたので、よかったです。 そして、一番のポイント。 針の捨て方。 バグダード「箱はあるよ」 バスラ「保健局からくれるけど数に限りはある」 ナナカリ「1か所しか使えてない(私の心の声)」 結局、針の捨て方は曖昧なのです。 これが一番大事ですよ。 自分を守らなければという意識が働けば自然にできると思うんですが… 皆の反応をみたところ全然できてなさそうでした。 これを含め、点滴の方法については4日目です。 今回の講義で皆さんが抗がん剤を投与する恐怖、感染対策をしない恐怖を覚えて帰ってくれていたらいいなと思います。 勿論恐怖だけでは看護はできませんが。 ただ、安全というだけではないんだということ。 また感染の恐怖から患者さんを守るのは自分自身だということを理解していて欲しいです。 そして、今日ナナカリ病院の院長サーミ先生の部屋でスレイマニアの保健局が出している感染対策ガイドラインを発見。 スタンダードプリコーション!というか私の講義内容とほぼ同じ! しかし全英語…アラビア語とかクルド語はないのかと聞いてみると、「保健局に頼んでみる」と言ってくれました。 こればっかりはサーミ先生、応援しますので、頑張って作ってもらってください。 ちなみに写真はガウンの脱ぎ方。彼が一番上手でした。バスラのハリッド。 #
by jim-net-news
| 2010-11-10 01:49
| アルビルプロジェクト
2010年 11月 09日
2日目は抗がん剤について講義をしました。
私も日本で看護師をしているとき、がん看護を約4年間していましたが、まだまだ知識は充分とは言えません。 しかし!こちらの看護師さんたちに事前にとったアンケートには皆さま「知識充分です」と回答が。 私は看護学で知識が充分になることなんてありえないと思っています。 なぜなら、看護は日々進化してるのです。医学や薬学の進歩とともに。 日々、勉強していくことが大事なのです。 「充分です」と書かれたアンケートをみて少し落ち込みましたが。 気を取り直して、講義を開始。 ・抗がん剤の安全管理 ・副作用 主にこの2点に焦点を当て、講義を行いました。 安全管理についてでは、患者さん、さらには看護師が自分自身を守らなければいけないんだということを説明。 ここで、皆の体験談も聞きました。 なんと、抗がん剤が目に入ったことのある看護師が2人も… 1/5のナースがそんな経験をしています。 今後、そんなことが起こらないように、体内への抗がん剤の侵入を防ぐ防護用具の説明、さらにまたもし、目に入ったときの処置の仕方、床にこぼしたとき、衣服についたときの対処方法も説明しました。 この安全管理で大切なのは、血管外への漏出を防ぐことです。 バスラでは、血管外漏出が原因で腕や足を切断したこどもが何人もいます。 それを防ぐのも、起こったときに迅速に対処するのも看護師の仕事です。 それを薬の種類別に説明しましたが、それがなかなか難しかったようでした。 薬によって対処方法が違うのが、きちんと理解できなかったんでしょう。 皆さんの頭の中が混乱していく様子が目に見えるようでした。 最終的に一番気をつけなければいけない薬品がもれたときの対処方法を説明し、なんとか理解は得られました。 次に副作用について。 抗がん剤によっては副作用も違うんですが、それをきちんと学んだことがないようで。 経験上の副作用は皆さん知ってるんです。 「髪が抜ける」「吐き気」「嘔吐」など。比較的、多くみられる副作用です。 が、すべての薬でそれが起こるわけでもないし。 薬により副作用も違います。 たとえば、腎障害や肝障害が起こる薬もある。 そういう目に見えてわからないことが難しいようでした。 これらの副作用一覧を表にして配ってあるので、見返してもらえたらなと思っています。 そして、それら症状に迅速に対処できる看護師になって欲しいです。 1日目はまだまだ皆さん元気に講義中も発言してくれました。 バグダードの皆さん、ナナカリ病院のホーシャングにくらべ静かに黙々と聞いていたバスラのおふたり。 実は発言をしたかったのだけれどもタイミングがはかれなかったと夜告白してくれました。 皆さん、まじめに聞いてくれて非常によかったです。 #
by jim-net-news
| 2010-11-09 01:11
| アルビルプロジェクト
2010年 11月 08日
10月31日から5日間、アルビルで看護師研修を行いました。
バグダード、バスラから合計7人の参加者。 ナナカリ病院からは2人固定で毎日違う看護師を1人。 全員で毎日10人の看護師さんが集まりました。 参加者のご紹介を少ししておきます。 バグダードから1家族。ハヤーウィ、アマルご夫妻とその娘のザイナブちゃん5歳。参加者が家族だと知ったときの私とアブ・サイードの驚きは半端なかったですが…。 しかもこちらに来る2日前に。「ターリク先生が許可してた!どうしよう!」とアブ・サイード。どうすることもできず、結局、ご家族でやってきました。 こちらのお父さんとお母さんが中堅看護師さんと言ったところでしょうか。 そして、バグダードの違う病院からは若いおふたり、アリとアブドルカリーム。 この2人は新人さんですね。 バスラも新人マジッドと中堅ハリッド、と(日本では中堅くらいだと思いますが)看護部長職にある女性ハミーダーがきてくれました。 ナナカリ病院からの固定の2人はマハナスとホーシャングのおふたりです。 31日はナナカリ病院の見学をしました。 ナナカリ病院からの参加者でもあるホーシャングが、外来から病棟までぐるっと案内してくれました。 まず、小児外来の見学から。 バグダードの皆さんは、看護よりもプロトコールや看護記録等に興味があるようでした。 しかし残念ながらナナカリ病院には看護記録はありません。 医者がやるからいいんだと言われて終わってました。 それに少し驚いていました、バグダードのご夫妻。 驚くのはよくわかります。 そしてバスラの皆さんは小さい病院に患者が多すぎる等と環境面のチェックをしていました。 環境面のチェックも大事ということで、ここで、井下先生が床頭台を清拭して、そのクロスを皆さんに「これだけ汚れててはいけません」と説明。 余談ですが、後にナナカリ病院からこれに対してのクレームがあり、「埃っぽいから仕方ない」とおっしゃっておりましたが、上層部がそういう意識でやってるのでは改善は望めないでしょう。 更に、外来、病棟と見学をして、屋外でナナカリ病院の良いところと悪いところを皆にそれぞれ述べてもらいました。 「狭いところに患者が多すぎる」「医療廃棄物が全部一緒のゴミ箱だ」とか的確に意見を言ってくれました。 あとは「看護師や薬剤師が協力し合ってるのが良い」、「抗がん剤をちゃんとキャビネットで準備してる」との意見が出ました。 やはり皆さん自分の病院と比べて小さいという印象を持ったようです。 特にバスラはきれいになったばかりですので、余計に感じたようで、何度も言ってました。 それを踏まえた上での感染対策についての講義は3日目から開始です。 最後になりましたが、これを聞いたナナカリ病院の皆さまが悪いところの意見に対し文句と言い訳ばかりではなく聞き入れて、改善しようという意識を持ってくれればいいのですが。 #
by jim-net-news
| 2010-11-08 04:31
| アルビルプロジェクト
2010年 10月 21日
ギジュルークが自宅で亡くなったと知らせを受けたのは病院についてすぐでした。
看護師さんも4人とも詰め所にいて、全員で落ち込みました。 彼女は先日、化学療法を受け、検査結果上、落ち着いたので帰宅していました。 ただ、全身状態は見るからによくはなかったけれど。 しかし、自宅が県外で遠いし、化学療法もしないのに、病院でいるよりは家が良かったのでしょう。 もしかしたら、気温の変化の激しさに身体がついていけなかったのかもしれない。 副作用に耐えかねたのかもしれない。 いろいろ原因を想像してしまいます。 でも、彼女には骨髄移植しかなかった。 それはイラク国内ではできません。 海外へ行くことも考えた。 でも、それもすぐにはできません。 そうしている間に亡くなってしまいました。 彼女の死を入院中の患者さんたちも知っていて、悲痛な表情でした。 特に、今状態の悪いこどもが多いので、皆が不安になってしまったんじゃないかと心配です。 いつか。 ナナカリ病院が目標としている新病院ができて、骨髄移植もできる設備が整って、ほんとにできるようになれば。 それで全員が助かるわけではないけれども、それが実現できれば大きな進歩だと思います。 昨日、ひとりの看護師が言いました。 「夢はこどもを助けることと看護学を勉強すること」 こんな素敵な夢を持った看護師がいます。 今やっていることが彼女の夢の実現にもつながれば嬉しい。 ギジュルークはここにも登場します。↓ http://jimnetnews.exblog.jp/13780480/ #
by jim-net-news
| 2010-10-21 03:32
| アルビルプロジェクト
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