イランでの放射線治療

イラクでは、放射線治療が受けれる所が、バグダッドとモスルしかありません。モスルは治安が悪化しておりバスラから行くのは大変です。バグダッドは、患者が殺到しており、バスラの患者にはなかなか予約を取ることも出来ません。そこで、考えられるのはイランでの治療。イランのアフワズ州にあるキルスタン病院はバスラから、200ｋｍほど。
2009年は、サブリーンの治療をイランで行っています。
そして、今回、アッバース・アハマッド君8歳の少年の治療が行われることになりました。彼は、脾臓のガンで2009年の3月4日に治療を開始しました。アハマッド君は、生まれて20日でお母さんが死亡してしまい、お父さんもその後行方不明です。兄弟も無く、おばあさんが引き取って育てています。2月26日にイランに入国が出来、3月2日から治療が始まりました。4月には治療を終えて無事に帰国しました。現在は体調もいいとのこと。一ヶ月の滞在費と交通費合わせて、6000ドルかかりましたが、バスラでは当面放射線治療も難しく、日本にも来日したことのあるイドリス医師が放射線治療の技術修得の研修を強く希望していましたが、2月に病気のために急死されました。
しばらくバスラで放射線治療が出来るようになるまでは、今しばらく時間がかかりそうなので、今年度も数名の治療をイランで行う予定です。


＊悪の枢軸と言われるイランですが、放射線治療に貢献