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2008年 07月 04日
バグダードに帰っていたラーラが今日アンマンに戻ってきた。これまで何度か電話したが、つながらず心配していたのだが、突然の電話でアンマンに着いたことを知らされた。早速彼女の様子を見るため近所にあるアパートに足を運んだ。
彼女がバグダードに一時帰国した理由は、ラーラ達家族の苦境をアメリカに訴えるため。もう一つはバスラにあるブーカ刑務所に収監されている2人の息子に会いに行くため。帰国前夜、ラーラの母親は涙を流しなら帰国の目的を話してくれた。バグダードではどうだったのだろうか?ラーラの病状は?不安に駆られながら彼女のアパートに向かった。 玄関先で真っ黒なアバーヤに身を包んだラーラの母親が待っていてくれた。そしてひょっこりとラーラが姿を現した。さらにその後ろにもう一人女性が・・。なんとラーラの双子の妹タマーラだった!話には聞いていたがまさか一緒にやってくるとは。驚きながらも部屋に案内してもらい、とにかく話しを聞くことにした。 ![]() バグダードではどうだったの? 母「バグダードはもう大変よ。電気は来ない。清潔な水もない。それに砂嵐がひどいのよ。私の夫もそのために体調を崩しているわ。それにとにかく暑いの。60度近くまで気温が上がってしまって、ラーラの体に障るんじゃないかとずっと心配していたわ。」 ラーラ「家では暑さのために病気が悪くなるといけないから、発電機を何台か一つの部屋に集めてなんとかエアコンを動かしていたの。私はそこで静養していたけど、発電機の音がうるさくてゆっくり休むことすらままならなかったわ。」 婚約者のアリーは元気? ラーラ「ええ、元気よ・・・。でも彼は仕事をクビになってしまったの・・・。前回の治療の時、彼は私の看病のために3ヶ月間アンマンにいたでしょう。そのせいで公務員として職場に復帰することが許されなかったの。彼は無職よ。」 アリーは今どんな様子? ラーラ「彼も本当は一緒にアンマンに来てくれるはずだった。でも彼にはビザが下りなかったの。現在はもう一度ビザを発行してくれるよう頼んでいるところよ。」 体の調子は? ラーラ「今は落ち着いているわ。ただ時々、吐き気に襲われるの。だからバグダードでもらった吐き気止めの薬を飲んでるの。土曜日に検査のために病院に行くことになってるわ。」 今回タマーラはどうして一緒にアンマンへ? タマーラ「今度は彼女の治療が長くなるから、私もラーラについてあげようと思ったの。」 彼女のドナーになるためではなく? タマーラ「いいえ。ラーラは骨髄移植を怖がってるの。他の治療で病気の治療ができれば・・・。」 ラーラ「手術をしたら何日間も病室に一人で閉じ込められるでしょう。そんな苦しみはもう嫌なの。私たちは普段から一緒にいるから、アンマンでも一緒に居てくれるととても助かるのよ。」 母「アメリカの病院なんかはどうなの?骨髄移植せずに治療はできないの?日本はどう?何か知らない?」 申し訳ないけど、僕は専門家じゃないからなんとも言えない。 母「とにかく検査の結果とお医者さんがなんて言うか、それを待つしかないわね。アッラーのご加護を。」 ブーカに収監されてる2人の息子には会えた? 母「なんとか息子のハイダルには会えたよ。でももう一人のアリーには会えなかった。3ヶ月に一回しか面会が許されなくて。それも一人だけね・・・。たった2時間しか面会は許されなかったよ・・・。」 どんな話をしたの? 母「ラーラが病気になったことを聞いてハイダルは泣いていたわ。彼も妻と子どもがいるのよ。だから家族の事をとても心配していた。小さな小屋みたいなところで息子にあったんだけど監視がとても厳しくてね。紙切れに書いた電話番号を袖に隠して渡そうとしたけど・・・それも見つけて取り上げるほどよ。」 どんな様子で収監されているの? 母「大きなテントに30人くらいが一度に収監されていたわ。食事は一応与えられてるみたい。神に称えあれ。でも一度の食事で一切れのパン、一欠けのチーズ、それにヨーグルト。そんなものばかりで新鮮な野菜や肉は摂ってないそうよ。」 もう一人の息子にはどうして会えなかったの? 母「面会は一度につき一人と決められているためよ。収監された時、息子のハイダルとアリーは同じテントにいたそうだけど後で別々にされたって言ってたわ。なんの取調べもしないままいつ出られるかもわからないのよ。息子に会うために留置所のある場所で3日間すごしたわ。たくさんの人が、収監されている夫や息子に会うために外で待っていた。みんなそれまで夜は外で寝て面会時間がくるまで耐えているのよ。今度アリーに会う約束は今月18日。そのときまたバスラに行ってくるつもりよ。」 一通り話し終えて、ラーラ達3人は外の空気でも吸ってこようと言って、近くのスーパーに出かけた。ラーラとタマーラは普段からの仲の良さをうかがわせる様に肩を組んで一緒に歩き、母親はその後ろからゆっくり歩いていった。旅の疲れもあるのだろう。昼の12時に出発する予定の飛行機が嵐のために遅れてしまい、結局バグダードを発ったのが夜の10時。アンマンには深夜1時に着いたが、入国手続きに時間がかかりアパートに到着したのが早朝の5時だったという。足取りは重かった。 ![]() 再発の場合、白血病の治療はとても難しいという。例え骨髄移植を行ったとしても。これから厳しい闘病生活が始まることになるが、母親、タマーラ、そして近く来るであろう婚約者アリーの支えのもと、元気になって延期された結婚式を迎えられる日がくればいいな。とそう思いつつ彼女達の買出しに付き合った。
by jim-net-news
| 2008-07-04 06:56
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