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2008年 10月 06日
コレラに関する報道が、現地メディアでも少なくなりつつあるが、感染者の数は増えており、10月4日の保健省の発表によると感染者は417人、コレラによる死亡者は6人になった。
バベル 222人 バグダード 69人 バスラ 44人 カルバラ 34人 ディーワニーヤ 30人 アンバール 8人 ナジャフ 5人 ミーサーン 3人 ディヤーラ 1人 http://www.aswatliraq.info/look/article.tpl?IdLanguage=17&IdPu 特にバスラにおける増加がここ数日で目立ってきているようである。バスラではコレラ発生が報じられた初期の段階で高齢の女性が感染により死亡したことが確認されている。また感染の多くは抵抗力を持たない子供である。バスラの中でもほとんどの感染者はアブー・ハスィーブ地区という地区から出ていることが確認されている。アブー・ハスィーブ地区はどういうところなのか、イブラヒーム先生に聞いてみた。 イブラヒーム「ここは、チグリス・ユーフラテス川のすぐ傍に位置しており、ナツメヤシの木が豊富に植えられているところです。ヤシが豊富に植えられている様子はバスラの象徴しているといっても良いでしょう。とても美しいところなんです。しかし非常に貧しい地区でもあり、公共サービスが行き届いてない地区でもあります。そのため、清潔な水を供給するネットワークが遅れていること、それに加え、川に隣接する地域であることから、ここに住む多くの人が川から水を汲み、それを飲んでいるのです。また今年の3月に政府が起こした、軍事作戦で多くの被害が出たところでもあります。ここアブー・ハスィーブは今年になって多くの困難に見舞われた地域なのです。」 このような状況の中JIM-NETでは、ペットボトルの水支援を決定。アジアと結ぶ市民の会・長崎の支援で1200ドル分のペットボトルを購入した。 イブラヒム先生によると10月4日、バスラから20kmほど西のイラン国境近くの町、ここアブ・アルカーシブで配ったとのこと。また供給した地域はこの地域のなかでも都市部とは離れた村、バーブ・アルアリーズ地区、バーブ・アルタウィール地区、ハマダーン地区、ムナッザマ地区などを車で移動しながら行った。この地区は川のそばに隣接し、コレラに汚染された水を飲む危険性が非常に高い地域である。 水を受け取りにきた、ここに住む老女は 「孫のハイダルが(1歳)がコレラに罹って入院してしまいました・・・。水が汚いためです。」 少女 「綺麗なをありがとう、でも病気に罹るのが怖いから水をもう一度、配って欲しいわ。」 住人男性 「ここではたくさんの人がコレラに罹っている。でも政府は予防の宣伝するばかりで何もしてくれないんだ。強い怒りを感じるよ。」 現在バスラでは、ここアブー・ハスィーブ地区以外でもクルナ地区、サラージャ地区、ズバイル地区でも感染者が出ているようである。イブラヒーム先生の友人の息子もコレラに罹っているという話だ。 バスラはこれまでにも、水の問題に悩まされ続けてきた。水を供給するためには電気が必要である。しかしその電気の供給が安定しない。電気省大臣カリーム・ワヒードは9月の記者会見で「電気の安定のためには、治安の安定が最も重要である。」と述べた。彼が電気省大臣に就任して以来、電気事情の改善がみられないために住民が解任要求のデモを行ったが、それに対するコメントである。イラクの治安は改善の傾向にあるとはいえ、いつ何時、身を潜めていた武装勢力が戻ってくるかわからない。特にバスラはイランとの国境に接しており、イランからやってくる武装勢力の巣窟になっているとされている。 水のためには電気、電気のためには治安がなくてはならないが、医師の安全が保証されることも非常に重要である。バスラで働く我々が良く知る医師達も何度なく、殺害や脅迫という危険な目に晒されてきた。保健省大臣サーリフ・フスナーウィーの発表では2003年以降、殺害された医療従事者の数は620人に達し、その内134人が医師であった。脅迫状を受け取った数はさらに多いとされる。また戦争以降イラク国外に安全を求めて出て行った医師の数はおよそ8000人に達するとされている。 http://radionawa.com/Ar/NewsDetailN.aspx?id=20661&LinkI=99 政府は医師を呼び戻すために、医師に武器の携行を許可したり、病院の近辺に医師の住居を据えるなどの方針を出している。 話がだいぶ、横道に逸れてしまったが、先ほどのアブー・ハスィーブは現在のバスラの保健状況の悪さを象徴しているようなところである。コレラ以外にもここにはガンに冒された子供がおり、バスラ小児産科病院で治療を受けている。治療のためには清潔な水や、電気が欠かすことができない。これまでもこの病院では水がまったく来ないなために治療に大きな障害が出てしまっていた。水の問題はもちろんバスラだけではない。コレラが最も多く蔓延している地域バベル。ここではコレラに加えて、除去しにくい発がん性物質が飲み水に含まれており、バベル水道局長は問題解決のため、政府に介入を求めている。http://iraqalaan.com/bm/Culture-Society/9066.shtml 現在のイラクは住民の保健環境の悪さが目立つ。コレラ以外にもイラク北部のドホークで炭素症に感染した患者が20人報告されている。さらに先月カルバラでは放射性廃棄物が不法投棄されていたとのニュースもあった。イラク政府は現在、州議会選挙法問題やアメリカとの治安協定で手一杯な様相を呈しているが、何よりもこれからのイラクを作っていく国民に関心を払って欲しい所だ。 水を受け取りに来た人々
by jim-net-news
| 2008-10-06 00:52
| バスラ危機
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